ようこそ、バリカン君のマエカワ工房へ。簡単、自分でバリカン研ぎをしましょう。

ハサミの話

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ハサミの話

この話も私の独断と偏見で話を進めます。全部が正しいとは言えませんのでご意見があればメールを下さい。

ハサミは自分では研げないと思われています。でもよく考えてみてください。昔の床屋さんはほぼ全員自分でハサミもバリカンも研いでいました。自分で研げない人は廃業するしかありませんでした。

床屋さんの中で特別ハサミ研ぎが上手い人がいました。他の同業者から評判を受け研ぎを頼まれるようになりました。床屋さんがハサミを研ぐわけですから髪の毛の事を解って研いだものですからよく切れるわけです。いわゆる名人です。現在では殆どみえません。

今は、ハサミのメーカーでハサミ作りに携わった人が研ぎ師になり名人が存在するのです。調子を直したり、裏すきまでしてもらえます。何よりハサミを削りません。刃を出すだけであれば数ミクロンの世界のようです。

名人に15,000円ぐらいのハサミを5,000円出して研いでいただいても、名人の恩恵を受けることはありません。せめて、50,000円以上のハサミでないと金額ほどの切れ味を実感できないでしょう。

脱サラでハサミの研ぎ師になった人は、ハサミも髪の毛も何も知らずに機械で自動に研げるから研ぎ賃が1,000円~2,000円で充分割の合う商売です。トリマーさんで安いハサミを使う人は十分だと思います。

下手な研ぎ屋さんは、ハサミを削ってしまい身が痩せてしまいます。乾式の研ぎで、焼き戻しができてしまう人もいます。3回も研ぎに出したら刃先が尖ってしまう人もいます。

ハサミを自分で研ぐ場合は絶対に水研ぎの湿式が絶体条件です。焼き戻しで鋼がなまくらの鉄になれば元も子もありません。

ハサミはバリカンと違って急に全く切れなくなることはありません。(落として踏みつけた場合は別です)そのため、「切れない・・・切れない・・・」と言いながら仕事を続けてしまいます。切れないハサミを使い続けると、親指で押しながら使う様になります。いわゆる押し切りです。

切れないハサミは毛を押しつぶして引きちぎっています。切り口を顕微鏡で見ると直毛でも楕円になり木の枝を千切ったようにみえます。そこからキューティクルが傷つき枝毛、切れ毛につながります。

切れないハサミは大切なお客様やペットの毛を知らないうちに傷つけているのです。

押し切りの悪い癖をつけた人が、コバルトの高いハサミを買って1頭のペットをカットしただけで急に切れが悪くなることがよくあります。「このハサミは不良品だ。」と言われますが実際にはハサミの性質を理解せずに使用したのです。

ハサミを研ぎに出しても、押し切りの癖の人は長切れしません。ハサミは力を入れずに上から下へ下げるだけで切れる仕組みになっています。「あの研ぎ師は長切れしないから下手だ。」と言っているかもしれません。

そのうちに、ハサミの触点まで壊してしまいます。そして、ハサミが切るときに引っかかるようになり新しいハサミを買うことになります。そして買ってすぐにまた押し切りでハサミを壊すのです。

それもこれも、切れないハサミで付いた悪い癖のせいだと気付くべきです。

貴方も自分でハサミを研いでいつも同じ切れ味で仕事をしましょう。

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